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業界理解AI下書き・編集部確認済6分で読める2026-06-20
🔌 学習シリーズ「半導体を基礎から学ぶ」 第2回 / 全8

世界の半導体市場は“$1兆ドル”目前 — SIAの売上データで読む、AIが起こした再加速

2024年は約$627B、2025年は約$791B。停滞を抜けてメモリーとロジックが市場を押し上げ、2030年には年$1兆ドルへ。市場規模の「今」を一次データで。

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3行まとめ
  • 世界の半導体売上は、SIA集計で2023年の約$526.8Bから2024年は約$627.6B(+19.1%)、2025年は約$791.7B(+25.6%)へ再加速。WSTSは2026年に約$975Bと、$1兆ドルが視野に入ると見込んでいます。
  • けん引役は製品別で二強のロジックとメモリー。2024年はロジックが最大の約$212.6B、メモリーは前年比+78.9%の約$165.1B(DRAMは+82.6%)で、AI向けのGPUとHBMが数字を押し上げました。
  • 市場拡大の波は“作る側”にも波及します。製造装置の東京エレクトロン(8035)、検査のアドバンテスト(6857)、メモリーのマイクロン(MU)・キオクシア(285A)など、層ごとに恩恵の出方が違うのがポイントです。
数字で見る
エヌビディア 売上
$215.9B
前年比 +65.5%
エヌビディア 純利益率
55.6%
マイクロン 売上
$37.4B
前年比 +48.9%
マイクロン 純利益率
22.8%
本文に登場する主要数値の早見。出典は記事末尾を参照。

「半導体は成長産業」とよく言われますが、では“どのくらい大きく、どのくらいの速さで”伸びているのか。感覚ではなく、SIA(米半導体工業会)やWSTS(世界半導体市場統計)という業界団体の公表データで、市場規模の現在地を押さえましょう。数字を一度つかんでおくと、個別ニュースの大きさが正しく測れるようになります。

まず全体像 — 2025年の世界市場は約$791B

世界の半導体売上高(年間)は、近年こう動いています。

世界半導体売上(年間)前年比
2023年約$526.8B
2024年約$627.6B+19.1%
2025年約$791.7B+25.6%
2026年(予測)約$975B約+23%

出所: SIA(2024・2025実績)/WSTS(2026予測)。$1B=10億ドル。

2023年はパソコンやスマホの調整局面で落ち込みましたが、2024年・2025年と二桁成長で急回復。WSTSの見通しでは2026年に約$975Bと、年間$1兆ドルの大台が目前に迫ります。業界では、AI・EV・5G/6G・先端製造などを背景に、2030年ごろに年$1兆ドルへ到達するという見方が一般的です。

図解
ロジック
  • ·2024年 約$212.6B
  • ·製品別で最大
  • ·CPU・GPU・ASIC
  • ·AI向けGPUがけん引
メモリー
  • ·2024年 約$165.1B
  • ·前年比 +78.9%
  • ·DRAMは+82.6%
  • ·HBM需要が急増
アナログ・その他
  • ·残りを分け合う
  • ·車載・産業で幅広い
  • ·景気変動に比較的強い
  • ·市場の“底”を支える
2024年の世界半導体売上はロジックとメモリーが二強。出所: SIA。

製品別に分けると — ロジックとメモリーが二強

市場全体を製品の種類で割ると、伸びの“正体”が見えてきます。2024年(SIA集計)の主役は次の2つでした。

  • ロジック:約$212.6B。CPU・GPU・ASICなど計算用チップで、製品別では最大カテゴリー。AI向けGPUがけん引役です。
  • メモリー:約$165.1B(前年比+78.9%)。なかでもDRAMは+82.6%と全カテゴリー最大の伸び。AIチップに寄り添うHBM(広帯域メモリ)の需要が効きました。

残りはアナログ、マイコン、センサー、ディスクリート(個別半導体)などが分け合います。アナログは派手な急伸こそ無いものの、車載・産業で幅広く使われ、市場の“底”を支える安定層です。「伸びはロジックとメモリーが主役、幅広さはアナログが支える」と覚えると整理しやすくなります。

なぜ2024–25年に再加速したのか — AIという新しい需要

再加速の最大の理由は、生成AIというまったく新しい用途が立ち上がったことです。AIの学習・推論には高性能GPUが要り、そのGPUには大量のHBMが要る。つまり「AIを賢くしたい」という欲求が、ロジックとメモリーの需要を同時に押し上げました。

象徴がエヌビディア(NVDA)で、直近通期売上は$215.9B(前年比+65.5%、FY2026)。1社の売上が、数年前の世界市場の相当部分に匹敵する規模まで膨らんでいます。市場全体の二桁成長は、この“AI需要の上乗せ”を抜きには語れません。

日本の投資家が見るべき“波及”

市場が大きくなるほど、恩恵は「チップを設計する会社」だけにとどまりません。チップを大量に作るには、その分だけ製造装置・検査・素材が必要になるからです。

  • 製造装置:東京エレクトロン(8035)。チップを作る装置の世界大手。AIスコア80。
  • 検査:アドバンテスト(6857)。チップが正しく動くか調べるテスタで世界トップ級。AIスコア82。
  • メモリー:マイクロン(MU)・キオクシア(285A)。HBMやNANDで市場拡大の直接の担い手。

「市場規模が伸びている」というニュースは、半導体産業のどの層に効くのかをセットで読むと、点が線になります。市場全体の数字(マクロ)と、4層構造(ミクロ)を行き来できると、半導体の理解は一段深くなります。

まとめ

  • 世界半導体売上はSIA集計で2024年約$627.6B(+19.1%)、2025年約$791.7B(+25.6%)。WSTSは2026年に約$975Bと予測し、$1兆ドルが視野に。
  • 製品別ではロジック(約$212.6B・最大)とメモリー(約$165.1B・+78.9%、DRAMは+82.6%)が二強。AI向けGPUとHBMがけん引。
  • 再加速の主因は生成AIという新規需要。エヌビディアは単体で売上$215.9B(FY2026)まで拡大。
  • 市場拡大は装置・検査・素材へ波及。マクロの数字と4層構造を行き来して読むのがコツ。

本記事は情報提供のみを目的としたものであり、特定銘柄の売買や将来予測を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。市場規模・成長率はSIA(米半導体工業会)/WSTS(世界半導体市場統計)等の公表データ、用途別シェアは業界資料(2024年基準・概算)に基づきます。個社の財務数値はSEC EDGAR(一次データ)に基づきます。

よくある質問
世界の半導体市場はいくらくらい?
SIA集計で2024年は約$627.6B(前年比+19.1%)、2025年は約$791.7B(+25.6%)。WSTSは2026年に約$975Bと予測しており、2030年ごろには年$1兆ドルに達するという見方が一般的です。
どの製品が市場をけん引している?
ロジック(CPU・GPU・ASIC)とメモリー(DRAM・NAND)です。2024年はロジックが最大の約$212.6B、メモリーが+78.9%の約$165.1Bと急伸し、AI向けのGPUとHBMが押し上げました。
SIAとWSTSの違いは?
どちらも半導体の売上統計を扱う業界団体です。SIA(米半導体工業会)は米国を中心に世界売上を発表し、WSTS(世界半導体市場統計)は世界の販売実績の集計と将来予測を公表しています。本記事の実績はSIA、予測はWSTSに基づきます。
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